アルミ形状加工に挑戦。

・設備はある!

当社は木型屋で、常日頃は樹脂を機械加工して
型、形状を作成しています。
しかしながら、設備はアルミ加工が出来るスペックを持っています。
そこで、長年の課題としてあった
アルミの素材から、形状を加工することにチャレンジしました。
先ほど書いたように、いつもは樹脂を加工しているため
アルミを加工するとなると、かなり勝手が違います。
機械はそれように出来ていても、準備する事が出てきます。

・あれも無い、これも無い!

樹脂を加工するときは、加工時に切りくずを吹き飛ばすために
エアブローをかけています。
しかし、金属を加工するときは切削油を掛けながら行うため
オイルクーラントをする必要があります。
(見出しにある画像が、そのオイルクーラントを掛けているところです。)
機械についているはずの、そのオイルクーラントのノズルが見当たりません。
樹脂を加工するときには不要のため、はずしてどこかにやってしまったようです。
急いで購入。
樹脂を加工する刃物と、アルミを加工する刃物は違うために
これも購入。
何より、アルミの素材がないため
購入。
そして、先ほど出てきたオイルクーラントのための切削油。
20年程前に、ためしにちょっとアルミを加工したときの油が
機械に残っていたのですが、当然劣化して使い物にならないので
さらに購入。
全部掻き出して、新しい切削油を入れて
ようやく機械の準備は出来ました。

・資材だけではない!

次はCAMのプログラム。
CAMの設定が、エアブローになっていてオイルクーラントの切削油が出てこない。

プログラムを見直し、切削油を流せるようにします。
加工するときの切削条件も、アルミと樹脂とでは全く違うため
設定を変えては見るものも、実績が無いため
その条件合っているのかも、正直分かりません。

刃物メーカなどに問い合わせたり、検索などをして
調べはしたものの、あれこれ条件が多く
はっきりと、この数値!
と出てることは無いです。

所謂、これがノウハウ、企業秘密というやつです。
これが分かっていれば、当然誰にでも出来てしまうので
細かい数値は手探りで見つけて行くしかないのです。
当たり前ですが、樹脂よりもアルミは硬いため
そのぶん、加工時に刃物を移動させる速度を遅くしなくてはいけなくて
樹脂に比べると、3倍ほど掛かります。

・やってみないと分からない。

おそらく、常日頃アルミを加工している職人さんからすると
遅すぎるくらいのスピードで、恐る恐る加工した為か
刃物を破損させることなく、加工することが出来ました。

形状物を加工する場合、
素材を機械に固定するために、クランプするための加工座というものが
必要になります。

上の写真の中の、黒い金物で固定されている出っ張っている形状です。
最終的に、この加工座を切断して完成になります。

金物で固定する場所を変更して、切り離します。

これで、完成です。

樹脂で加工した、全く同一形状の物との写真です。
やっぱり、アルミで加工をすると
製品っぽく、メタリカルで見栄えがいいです。

今回は、左側の塊の素材から削りだし、右側の最終形状まで
4㎏から400gになりました。
3.6㎏分が切りくずとして排出されたことになります。
アルミの切りくずは、リサイクル可能なので
切りくずも無駄にならずに済みます。

諸事情により、鮮明な画像をお見せすることは出来ませんが
実際の出来栄え、樹脂との比較等をご覧になりたい時は

いつでも見学をお待ちしています。

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早川 健仁

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