・必要な物。
三次元測定機を使用する場合、測定物を固定しないと
測定し辛く、途中で動いてしまっては測定の意味をなさないので
クランプなどで固定をします。
測定機の定盤面には、クランプする際に使用するボルト穴が開いてはいますが
如何せん、穴が少なく使い勝手がよくありません。
カタログなどを見てみると、測定用の穴の沢山開いているプレートがあり
やっぱり、こういうものがいるのか。
と、なります。
しかし、意外と値段が張るもので、高い。
じゃあ、鉄板を買ってきて、自分達で穴を開けてしまえばいいのでは。
となりまして、鉄の穴開け加工に挑みます。
・勝手が違う。
通常の業務では樹脂加工、最近はアルミの加工もしましたが
今回は鉄、さらに硬くなりました。
いろいろ試行錯誤をしながら、刃具を破損しないように気を配り
穴を開けます。
鉄板の中に、ドリルやタップの破損した部位が残ると
それを取り除くだけで一仕事。
恐る恐ると、加工速度はなるべく遅くして加工。
プレートサイズは600*450。
穴の数は、315個。
荒穴を開け、下穴を開け、C面を取ってからのM8のタップ。
やはり鉄、硬いだけのことはあります。
刃先が欠けたり、刃具の切れ味が悪くなったりして
加工速度を変えてみたり、刃具を交換したりと
いろいろな手間がかかり、考えていた以上に時間が掛かりました。
加工機の加工範囲の都合で、一度配置を移動させました。
ようやくM8の穴加工は終了です。
ついでに、KAMITECHのロゴ、マークも彫り込みました。
ロゴが入ると、自社製品みたいでいいですね。
タップの切れ味が落ちて行っている箇所があり、ハンドタップで通し直して
完成しました。
・人力での限界。
今回感じたのは、加工の難しさよりも重さ。
鉄は重いです。
鉄板の無垢の重さは42.4㎏ありました。
ちょっと移動させるのにも、台車に載せて落とさないように
気を配りました。
大した大きさではないですが、この重さでは落としどころによっては
労働災害になります。
いくら穴とはいえ、315個も開ければ少しは軽くなるだろうと
思ってましたが、たいして軽くはなりませんでした。
これまでは、さほど重いものがなかったので
重量物を移動させることは想定はおらず、ホイストやチェーンブロックを下げる
設備はありません。
しかし今後、多種多様な加工にチャレンジしていこうとすると
重量物を吊るす設備の必要にも迫られる時が来るのでしょう。
早川 健仁
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